私の住むノースショアハイクの家にはエアコンはありません。 私の家だけではなく、ハイクのほとんどの家にはエアコンはないのですが、マウイは風がいつも吹き抜けている気候柄、エアコンは必要がないのです。 天井からさがっている大きなファン(扇風機)だけで十分です。

マウイを吹き抜けるトレードウインドは、気温の高い夏でも心地よい天然エアコンとなり、湿気がないのでじめじめとした不快な暑さはなく、外では日差しは強くとも日陰に行くととても涼しいのです。

こんな快適な常夏の島ですが、時折気温の高い夏の間に風向きが変わったりトレードウインドが弱まり風が吹かない日があると、突然体感温度が上昇します。 普段冷暖房完備のオフィスで働いているわけでもないので、冷蔵庫のような温度のエアコンはどちらかというと不快を感じる身体=アイランドスタイル になっていますが、それでも暑いと感じる日は年に10日位はあるかもしれません。 そんなときは、各人が思い思いの動物的本能で暑さをしのぎますが、男の子や男の人の場合には、まずはシンプルに”脱ぐ”という行動にでます。 脱ぐといっても、もともとシャツ1枚なので、それを脱いで上半身裸という状態ですが、うちのウインドサーフショップの従業員も仕事中によく上半身裸になっている人がいました。 それでもまだ暑い時はウインドサーフィンの道具を洗うホースで頭から水をかぶれば極楽浄土、上半身裸で仕事ができる希少な職場です。


私の家に息子カイの友達3人が遊びに来ており、テレビゲームをして楽しんでいました。 暑いものですから、案の定、全員シャツを脱いで上半身裸になっています。 しかしその日は本当にめずらしく夏なのに風がなくて暑い日で、汗で頭をぬらしながらゲームをしています。 当然エアコンなぞはないし、おまけに日当りだけよくて風とおしの悪い部屋、”あの〜、君たち暑かったら冷たいシャワー浴びていいよ、冷たいシャワー。 クローゼットにあるタオル自由に使っていいからね。” と言っておきました。 冷たいシャワーを浴びたデイブが幸せの放心状態でバスルームからでてきました。 ”おばさん、ありがとう。こんな最高に気持ちのいいシャワーは生まれて初めてだよ!”
”今日のシャワーは今までの人生で最高だ!”とまで言いながら、次々と冷たいシャワーを浴びてでてくる男の子たち。


夕方バスケットボールの練習にでかける時はさすがにシャツは着なければならないので、暑がりデイブはまた考えて、ビニール袋に氷をつめて氷嚢状態にし、首の後ろにくっつけて ”あ〜気持ちいい〜”といいながら暑さをしのいでいます。

練習場所まで車で移動時間約20分、その間にデイブの氷嚢の氷は半分以上溶け、デイブは氷の溶けた水をゴクゴクと飲み干し、”あ〜ウマい!”。 このクーラー作戦、電気も使わずに地球にやさしいエコそのもの、しかも一定温度でエアコンがきいた冷蔵庫状態と違い、暑い状態の中での一時的な快感の為、その快感度はかなり高いです。


もうひとつ暑さをしのぎ快感を得る方法、私のだんなの直伝です。暑いと思ったら、外にでて働くか運動をしてもっと暑い状況に自分を置く。
家の中に居て暑いな暑いなとやや不快指数があがってきたならば、外にでてランニングをするか庭仕事をする、炎天下の中で蒸発する位だらだらと汗を流しながら動きまわった後、家に戻ると、さっきまで暑い暑いと思っていた家がすご〜く涼しく感じ快感を感じる事ができます。 ここでさきほどのデイブの氷嚢作戦をしたら、こんなに快適なことがあるものかと。。。もう何もいりません。

私が最近参加しはじめたフラ教室のスタジオは光熱費上昇の為という理由でエアコンの使用ができなくなりました。(レンタル料をあげるか、エアコンをストップするかどちらかの選択だったそうです。先生も生徒さんもお金は払いたくないので、これは迷いなくエアコンなしです。) タイミングよく先週まで吹いていたトレードウインドが一時休止してしまい、汗が吹き出しまくりの汗だくフラレッスンとなりました。 こんなことになるのはわかっていたので、いくら汗をかいてもいいように私は水着にフラスカート+凍らせた水を持参の体制で参加です。 先生はフラスカートをまくりあげて汗をふいています。 フラだというのに、前日にやったエアロビクスよりも汗をかき、充実感のあるレッスンでした。

旅行でコンドミニアムの予約をしてくるお客さまより”マウイはエアコン必要ですか?”と聞かれることがあります。ホテルは当然全室エアコン完備ですが、コンドミニアムの場合にはエアコンのある物件とない物件があるからです。

”ハワイは風が吹き抜けていて湿気がないので、昼間部屋にいる時間が少ないのであれば、エアコンはなくても大丈夫です。ただし、特に暑がりだったりなど個人差はあるので断言はできません。” と答えます。 湿気の多い日本の夏に比べれば、朝晩は暑くないし、ハワイは随分過ごしやすいです。

アメリカ本土のお客さまから同じ質問を受けたので、同じように答えました。 しかしその方は少し考えてから、”いや、やっぱりエアコンだけは必須にしてください。僕はアイランドスタイルには慣れていないから、エアコンなしで過ごせる自信がないからね。”と言っていました。

 

さて、15年間私の家にはエアコンがありませんでしたが、どういうわけかついにエアコンがやってきました。実際、ハイクでエアコンというのはとっても贅沢というか不要なのですが、ウインドサーフショップのビル内で一台余ってしまい置き場がなく邪魔だったので、仕方なく私の部屋に設置されました。

昼間ちょっとだけ暑かったので、ドアを閉めてエアコンをつけていたら、私のだんながドアをあけて部屋にはいってきました。
”なんだこれ、これじゃ冷蔵庫だよ、寒いよ〜”と言って不快そうに逃げて行きました。

その5分後には、私も身体がどうも拒否反応を起こして来たので、エアコン使用を中止しました。


アイランドスタイルは、やっぱりシャツぬいで、水シャワーに氷嚢作戦、運動をして汗だくになる、のが一番快適な天然クーラーです。

 

boys
10月某日の新聞に掲載されていた写真。
全員上半身裸のアイランドスタイル。 
ローカルストアの前でシェイブアイスを買い食いしています。