(2009年12月にお客さまへお送りしたクリスマスメールの一部抜粋、そしてその ”続き” です)

(以前にブログにも書いたことのある私の大切な友達、ウインドサーフカンパニーで長い間働いていたフェデリコは、癌の治療の為2007年夏にカリフォルニアへ引っ越し、2008年3月に一度完全に消えて治癒した癌が、2009年春にまた再発してしまい、今もまだ癌治療を続けながら気分のいい時にはサーフィンをしたりウインドサーフィンをしたり小さな娘と息子の面倒を見て、神様を信じ生きています。)
ブログアーカイブ(今を生きる、今日1日を生きる):http://mauiwind.livedoor.biz/archives/285695.html


ある日、私が海で気持ちよくぼーっとしていたら、まるでフェデリコもその時この場所に来たいと思ったのかどうかはわかりませんが、私の携帯がなりフェデリコのなつかしい声を聞きました。

「ヨウコ? メールくれたから電話しようと思って。。。元気?」

「フェデリコにプレゼントしようかなっと思ったCDがあったんだけど、Justin Kawika Young知ってる?」

「知らないよ。その人ハワイのミュージシャン?」

「そう、ハワイ育ちのばりばりのハワイアン、でも今はカリフォルニアにいるんだけど、ハワイが恋しいっていう歌をたくさん唄ってるのよ」

「そうなんだ。。。なんか僕みたいだな。。。」

 

One Foot on Sand というタイトルの歌ですが、日本語に直訳すると 片足は砂の上(???) 歌の意味も含めて私なりにかっこよく訳してみると、”My Home - いつもあの砂浜で といったところでしょうか。。。
数年前にローカルラジオステーションでかかりまくった歌です。

車の窓を開けてボリュームやや大きめでこの曲を聞いていたら、信号待ちで、2車線隣の車の人がニコニコしながら手を振ってきました。(Justinの親戚かも。。。?)
この曲グッドだよね〜とお互い手話で会話しました。

自分を育ててくれた大地と深い愛情でつながれているハワイアンボーイの心が感じられる歌ですが、

ハワイの地に感謝する気持ちやハワイに惹き付けられてまた戻ってきたくなる気持ちは、一度でもハワイを訪れたことのある人は誰でも同じような気がします。

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ひとり風に吹かれ、自由を求めて新しい場所へやってきた

だけど僕の心のどこかではいつも遥か遠くのあの場所を見ている

新しい世界が広がり、ここには可能性がたくさんある

今まで知らなかったたくさんのものが見える

だけど夜はすごく冷たくて寂しい

時々僕の目は心に馴染んだ景色を探している

遥か遠く海の彼方のあの島を見つめている

心のどこかで、僕はいつもあの場所を歩いているんだ

 

クリスマスにこの場所に帰ってきた

暖かい海に、知り尽くした馴染みのこの場所に

天国のようなこの場所に、感謝の気持ちがこみあげてくる

うれしくてうれしくてしょうがない

ここはいつまでも変わらない

 

遠すぎて忘れてしまったり、自分が見えなくなってしまうことも時々あるけれど、

心のどこかで、僕はいつもこの場所を歩いている

そこはこの暖かい砂浜なんだ

どこにいても、心のどこかで僕は確実にいつもこの場所にいるんだ

僕が心から愛するこのハワイの地に。

One Foot on Sandの歌詞を、日本語でわかりやすく意訳しました by Yoko

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windypalm25月は卒業式シーズンです。

ハワイ大学(マウイ校)でマスターコースを卒業したバレーボールのコーチの卒業式、高校でハワイ語コースを修了した友達の純ハワイアン卒業式、高校のフットボール競技場で行われる高校の卒業式へは卒業してしまうバスケットやバレーボールの仲間や友達(先輩)を祝いにと、卒業式ウイークでした。

ハワイで高校を卒業した後の進学先は、ハワイ州内の大学に行くか、または、メインランド(アメリカ本土)の大学へ行くかで大きく別れることになります。 ハワイで育った人にとっては、メインランドへ行く事は、ハワイ文化とはまったく違った場所での暮らしのチャレンジです。 たまたまハワイもメインランドもアメリカという同じ国の同じ言語ですが、環境も価値観も生活のスピードも一部の食べ物も違います。 それでもそこに自分のめざすもの(行きたい大学、やりたいことがある大学)があれば、ハワイの若者はメインランドへ旅立っていくわけです。

ハワイで育ってハワイを離れたことのある人、いままさにハワイを離れてメインランドにいる人は、この One Foot on Sand の歌を聞くと、ハワイへの愛着や恋しさに共感し泣けてしまうそうです。

自分の夢をかなえるには、小さな片田舎ハワイではなく、多くの可能性やチャンスがあるメインランドでなければいけないんだという気持ちと、慣れ親しんだ大好きなハワイにいたいという気持ち、このジレンマとの狭間にいる複雑な気持ちは、ハワイを離れてメインランドにいる人にとっては誰でもが感じるそうです。 でもどこで何をしていても、ハワイが育ててくれた自分はいつまでも永遠にハワイアンボーイのままサ、というテーマの歌です。 
この歌のアルバムのジャケットがまた最高にかっこよくうまくできており、
" Hollywood "(ハリウッド)と書かれた山を背景に、ギターを抱えてロスアンゼルスの町並みを歩くジャスティンの後ろ姿、そのTシャツの背中には”808”と書かれ、ジャスティンの歩いている部分だけ砂浜(そこ以外は舗装道路)になっているのです。
ちなみに808は、ハワイのエリアコード(電話の市外局番)。

 

癌の治療の為にロスアンゼルスに引っ越してしまったフェデリコと奥さんのマーシー、このアルバムをとても気に入ってくれました。たぶん、ハワイへの恋しさに共感し、泣けてしまったんだと思います。


5日前に " I am GOING !  マウイに行くよ!" というメールをフェデリコから受け取り、そして今日(5/30)、マウイ島のホキーパの海にフェデリコはいました。

昨日まで約2週間ほど波が消えて平水面だったホキーパが、今日は迫力のある波が思いっきりはいっています。 まるでフェデリコがマウイに帰ってくるのにあわせて波がやってきて歓迎しているかのよう。。。 強いトレードウインドもはいっていて、久しぶりに最高のウエイブコンディション、当然のことながらフランシスコゴヤをはじめマウイに居るホキーパセイラーたぶんほとんど全員そこにいました。 (マウイの風波コンディションと、ウインドサーファーの行動パターンは、まったく本当にわかりやすいです)

Hookipa5-2いきなりこんな最高のコンディションじゃ、フェデリコ海にでっぱなしで岸になんて帰ってこないだろ〜な〜と思いながら、強風でとんでくる砂を顔でバチバチと受けながら、なんとか海上のフェデリコを確認しようと目を凝らして海を見ていたら、"Yoko, Yoko, ヨーコ!"と聞こえた気がしました。振り返ったら、友達に借りたであろうオンボロのトラックの横でフェデリコがニコニコして手を振っていました。


「マウイの空港はまったく最高だよ。なんでこんなに空気も人もメロウなんだ。マウイの空港に着くと、花の匂いっていうのかなんて言うのか、マウイの匂いがするんだよ。 それでもって、ハナハイウエイを車で走っただけでもうトロけそうだよ。。。。」と、いつものごとくフェデリコがどんなにマウイに惚れているかという話がはじまりました。

 

私には、フェデリコが着ているTシャツのその奥に、
”808” と書いてあったように見えました。

Hookipa5-1
5/30
波がはいる!

( at Hookipa )