メイドオンマウイ元気のスパイス

元気のスパイスを、ハワイマウイ島からお届けします。 アロハエッセンスとマウイの風を感じてもらえるとうれしいです。

March 2006

Communication - コミュニケーション

学校対抗小学生のバスケットボールリーグ、やっぱり”母校”を背負うと自然と皆燃えるようで、試合のたびにプレイヤーもコーチも応援も皆熱くなります。普段から学校生活を共にしている仲間ですでにお互い知った顔ばかりだから結束も早く、毎試合ごとにいざ出陣といった勢い。当然どこのチームも勝ちたい!わけで、こんなに走ってこの子たち疲れないのかな。。。というぐらい、ドタバタドタバタとプレイしています。コーチはコーチで血管きれちゃうんではないかと心配してしまうぐらい怒鳴っていることもあるし、応援席の両親たちは毎回毎回心臓ばくばくしながらの観戦です。

 

昨年はまだ3年生だった娘レイは当然のことながらいわゆる2軍ホワイトチームでしたが、今年は当学校の選抜ブルーチームにはいりました。しかしながら、スターティングラインナップ(日本語ではレギュラーと言うのでしょうか)ではありません。いわゆる補欠(英語ではSubサブ=Substitute, ちなみにBench Warmerなんて言うこともありますがこれは試合に全くでられないプレイヤーを見下した言い方だと思います)です。チームは8人、内訳はすばしっこい5年生男の子1人、身体も大きくスポーツ万能な5年生女の子1人、バスケット好きな4年生男の子1人、バスケットは初めてだけれど運動神経がいい4年生男の子1人、身体が大きな4年生女の子1人、ここまでの5人がスターティングラインナップ、背は高いけどちょっと気が優しい4年生男の子1人、バスケットの経験はあるけど身体がまだ小さくて華奢な4年生女の子2人、この3人がサブ(補欠)です。コーチは2人、私はプレイヤー何人かをまとめて学校から会場となるジムまで連れて行く運転手。

 

最初の2試合は第1ヘッドコーチが指揮をとりました。試合に勝ちたい、そうするとどうも華奢な女の子よりも、すばしっこくてタフな男の子をコートにいれておきたくなるから、自動的に補欠3人のプレイ時間は最小限。指示はスターティングラインナップのプレイヤーばかりにだし、補欠は形だけ仕方なく最小限の時間だけコートにいれているというメッセージが見え見え。補欠の3人はだんだんゲームからもチームからも置き去りにされているような気分になってたのは明らかです。でもこういうのはスポーツの世界では仕方ないし(ちょっと小学生レベルにはタフだけど)、親が否定的になってはいけないと思い、私は娘に”勝ってよかったね!”と言いました。”うん、でも私とマリアはもう1回だけシュートをトライしたかったな”と娘は言いました。まだ9歳の時点にして、補欠というポジションになるのも、チャンスさえ与えられないのがちょっとかわいそうな気がしました。
(ちなみにこの小学生バスケットボールリーグは、各チームのコーチの方針によりプレイヤーの使い方はさまざまで、10人プレイヤーがいるチームなどは5人づつのチームに分けて、メンバーチェンジは5人全取っ替えで均等の時間プレイするところもあります。ただ、このパターンだと上手なプレイヤーも引っ込めることになるので、たいがいそのチームの勝率は悪いです。勝ちにこだわるか、プレイヤー全員公平にプレイさせて負け数をふやすか、いずれにしても何をやっても誰かしらに不平を言われるコーチは大変です。)

 

さて、3試合目からは第2ヘッドコーチ(第1ヘッドコーチは別の仕事と重なり不在のため)が指揮をとりました。チームもなんとなくそれぞれのポジションや役割りが固定しつつありまとまってきています。でもやっぱりサブ(補欠)はサブ。今日は試合までに少し待ち時間があったので、コーチはプレイヤーを集めて作戦会議。それぞれのポジションのプレイヤーに、試合中にそのポジションでやるべき仕事や動き、チームメートとの連携プレイをひとつひとつ確認していきます。そしてちょっと意外なことにその確認作業はサブ(補欠)3人にもまわってきました。”サブのレイとマリアとジャックはコートにはいったら、フォーワードポジションだからディフェンダーをふりきって、逆サイドのフォワードとスイッチして、パスをもらえるようにオープンになるんだよ。あとサブもスターティングも全員、ディフェンスの時は必ず両手をあげてディフェンスし、絶対に相手チームに楽にシュートをうたせないこと!” ホワイトボードにポジションと動きをわかりやすく図式で示しながら説明していました。ーーー

 

ーーー今日の試合はサブの3人は限られた時間ながらも、とても楽しそうに一生懸命プレイしていました。まるでこのあいだの試合とは別人のよう。

 

ベンチに座っていても、コートにはいってから自分がやるべき仕事のイメージができていたから。
自分が与えられている役割が明確だったから。
自分がチームの一員として必要とされているというメッセージをコーチから受け取ったから。

 

子供の反応はとてもわかりやすく、今日の試合での3人のサブ(補欠)の”やる気”は、まるで魔法がかけられていたようでした。
ほんの少しのコミュニケーションをするだけでこんなに変わっちゃうなんて、まさにマジックです。
サブ(補欠)にメンバーチェンジしても、チームのエネルギーレベルは変わらず、すごく強いチームでした。
試合が終わったあとコーチはサブ(補欠)3人にも、"上手にプレイできてたよ”と声をかけていました。

 

英語の挨拶の決まり文句、"Hi, How are you ? "(こんにちわ、元気? うまくいってる? 調子はどう?)、このHow are you ? という言葉は相手 (you) のことを思いやる最も簡単で日常的な言葉、"How are you?" と挨拶すると、"Good, Good, How are YOU ?"と返ってくるから、こちらも "Good, thank you."と返す。例えお決まりの挨拶でも、自分が気にかけられていると感じるとうれしいものです。

 

コミュニケーションをとるということは、相手に関心がある、相手を大切に思っているというメッセージ。
挨拶だけでもいい、目があったらニコっとするだけでもいい。今日会う人に、ちょっと自分の時間を止めて、相手のことを思ってみよう。ほんの少しのコミュニケーションが、私の人生ゲームに小さな素敵な魔法をかけてくれるかもしれない。

coach
 

(文中の人称は仮名です)

 

 

by Yoko, March 2006

Opportunity - チャンス、絶好の機会

12年前日本からマウイへ引っ越してきたとき、日本にとても心残りだったのはサッカーJリーグが見られなくなることでした。でもそんなことはしばらくしたらすっかり忘れ、今はこちらでバスケットボールのNBAプロリーグとNCAA大学リーグの試合をテレビで存分に見られることが楽しみのひとつとなっています。そしてマウイでは1年に1回マウイインビテーショナルという大学一部リーグのバスケットボールの招待試合があり、目の前でプレイヤーのエネルギーを感じることのできる最高のOpportunityです。マウイローカル向けに売り出されるチケットを買うために早々と並ぶ列にはいかにもスポーツおやじといった感じの男性ばかり、そこに女ひとり並ぶ私もスポーツおやじ。
 

バスケットボールはサッカー同様、知れば知る程見ていて楽しくなるスポーツ、ボールの動きやプレイヤーの動き、決められた試合時間の中での戦略や流れなど、知性と忍耐と情熱とチームワークが勝利のカギ。 NCAA大学リーグの試合、シーズン最後のトーナメントになるとWin or Go Homeという後には何もない熾烈な戦いで、同じ位のスキルを持ち合わせたチーム同士の戦いの場合、最後にはチームの情熱指数が高かったチームが勝つんだと思います。このトーナメントはMarch Madnessと呼ばれ、要は毎年3月のこの時期、まさに熱狂のトーナメント試合です。
 

さてマウイでは6歳から参加できる地域のバスケットボールリーグがあり、小学生の学校対抗バスケットボール試合もあります。スポーツはなぜか学校対抗になると闘志むきだしになり、プレイヤーもコーチも応援にも熱がはいるもの、こちらもMarch Madnessです。この学校対抗は対象年齢9歳から11歳。正規のバスケットボール同様、ポイントガード(ボールを味方コートまで運び、ポジションについたチームメイトにパスをするなど、攻撃の起点となるポジションです)がいて、フォワードポジションにセンターポジションと、きちんと教えられたとおり組織的にプレイします。敵のディフェンダーを錯乱し盲点をついてチームメイトにパスを通すのがバスケットボールの醍醐味、しかし、このパスをだすタイミングがなかなか難しい。オープンになってパスをもらおうと動き回るプレイヤー、それを阻止しようと一生懸命ガードする敵のディフェンス。
"Pass it, now !" "Pass it, already!" (今だ、パスしろ!)と何度もパスを通せる絶好のチャンスはあるものの、このチャンスはずっとそこにはいない。アっと思った次の瞬間はディフェンダーに追い付かれもうパスができない状態になっている。動き回るプレイヤー、今だ!と思いきや、判断が1秒遅れただけで、もう Too late(手遅れ)、ディフェンダーが追い付きボールをとられてしまう。。。あっ、今だ、パス! あ〜また手遅れ。。。
Pass, NOW !と言い終わらぬうちにポイントガードの手からボールが離れ、パスがとおり、ディフェンダーがくる前にシュート、よっしゃ ! 

上手いポイントガードは一般席応援団がパスしろ!と思う前に、すでに手からボールが離れている、チームメイトが一瞬オープンになったのを見逃さず瞬時に迷うことなくチャンスをつかみにいっている、パスが通りチームメートがシュートするという成功イメージに直結した動物反射的な直感とチームメートへの信頼がチャンスをつかむ。一方、まだ未熟なポイントガードは、一体何を待っているのかいつまでたってもパスをしない、もしかしたらチームメートが10秒位ディフェンダーにつかれずにオープンになるのを待っているのか、そんな生易しいお膳立てがあるわけないよ〜。
 

こんなプレイヤーの動きを見ていて、これって人生そのものだなと思いました。Opportunity(チャンス)は目の前を絶え間なく流れるように動いている、それをつかんで活かすか、そのまま流すかはポイントガードの勘と判断次第。変な例えだけれど、流しそうめんだって、目の前を絶え間なくそうめんがながれている、意思を決めてつかむこともできるし、そのまま流し去ることもできる。人生には成功するマニュアル本もなければ誰かがしいてくれる安全な線路もない、すべて選択の連続、選択とは公平にあるOpportunity(チャンス)を自分の意思と直感でつかみにいくこと。
 

まるで偶然のようにスムーズに物事が運ぶこともある、それはきっと神様がそうしなさいっていうOpportunityだからそういうときはなされるがままその波に乗っちゃおう。
 

何をやってもどうがんばっても何もうまく行かないとき、それはただ単にまだ時期じゃないってこと、サーファーがひたすら波を待つようにプカプカのんびり浮いていよう、必ず波はやってくるーーいつかやってくるその波にうまく乗れるよう、普段から力強くパドルできる筋力は鍛えておかないと。。。準備なしではいざというときに絶好の波に乗れないから。
 

自分がやりたいこと、こうなったらいいなと思うことをいつも夢みていよう、そうすれば、それにつながるチャンスを見逃さず瞬時に判断できるから。バスケットゴール下のチームメートにパスがとおってシュートし得点できたらいいなとイメージし続けるポイントガードが、いつ訪れるかわからない一瞬のチャンスを狙っているように。
 

小学生のバスケットボールの試合、たくさんの攻撃Opportunity(チャンス)を活かさないでいる試合を見て、このエッセイが頭にうかびました。元気になれる言葉をたくさん発信し、自分も元気でありたいと思いたち、せっかくだから書き留めておこうと思いました。

basket

(文中の人称は仮名です)

by Yoko, March 2006

*プロフィール*
内藤葉子 Yoko Naito
マウイ島にて現地旅行会社と
ウインドサーフショップをしています。
ぜひ遊びにきてください。


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