メイドオンマウイ元気のスパイス

元気のスパイスを、ハワイマウイ島からお届けします。 アロハエッセンスとマウイの風を感じてもらえるとうれしいです。

友達

Hawaiian Hawaiian - ハワイアン父ちゃんはかっこいい

「Dave's Dad is so cool !   デイブの父ちゃんって、すっごくかっこいいよ」と息子のカイが言います。
どうして? と聞くと、
"He is so Hawaiian, relax and laid back unlike you who always keeps busy yourself."

「いつもリラックスしてて大きくかまえてるしゆっくり話すし、まさにハワイアンスタイルそのものですっごくかっこいいよ。いつも急いでいて忙しそうにしているママとは大違いだよ」

へえ〜そうなんだ〜、せっせと忙しくしていないで、リラックスしてのんびり大らかにしているのがかっこいいんだ〜とは私の反応。

日本で高度経済成長期の親の姿を見て育ち、かつて東京のど真ん中で働いていた私にしてみれば、朝から晩まで仕事に追われて忙しくし、1日のスケジュールはびっしり、人よりも多くの仕事をこなす為に早口でしゃべり、いかにも仕事ができる人みたいに業界用語を連発し、どうやって人を説得し主導権をにぎるかという作戦に頭をつかい、さらに残業や休日出勤があるとちょっとかっこよく、国内出張に海外出張なんかがはいるとこれぞ日本のビジネスマンって感じで、そんな自分にけっこう酔いしれてたりしてたんだけど。。。

今マウイで仕事をしていても、長年身体にしみついているものは早々簡単には変わらず、リラックスしてのんびりしていることにはどうもなぜか罪悪感を感じ、いつもどこかで自分を忙しくしてしまいます。仕事をたくさんして忙しくしていることが、大人の責任と社会への義務であり、自分も成長できるとずっと思っておりました、、、がしかし、ハワイ育ちの我が子供達は、私の価値観とは全く違う価値観を持って育っておりました。

息子が言った言葉を逆に言うと、「いつも忙しく仕事ばかりしているママは、すっごくかっこ悪いよ!」と聞こえます。

忙しくしていることは誇りでありかっこいい大人なんだと思っていた私、”リラックスしている大人がかっこいい”なんて子供が言うのを聞き、衝撃的に拍子抜けをしました。

そういえばマウイに来たばかりの頃、仕事が休みの時にまでウインドサーフショップに出勤してきている私の主人に、ショップのスタッフたちは口々に "You are crazy!  So crazy!!! "(休日まで仕事するなんて頭がおかしいゼ!)と言っていました。 

ちなみにその頃のショップのスケジュールは完全週休3日制、人によってはほかにバイトをして足りない分を稼いだりしている人もいましたが、やはり基本形は仕事+海+友達(家族)=ライフスタイル。(海)の部分はもちろん人によって若干異なると思います。例えば、ウインドサーフィン、サーフィン、釣り、ゴルフ、音楽、バスケットボール、サッカー、テニス、ランニング と言った具合に。 少なくともここ(マウイ)では、仕事=自分、仕事=ライフスタイルという公式はありえません。 特にうちのウインドサーフショップの場合は人を雇う時にはその人のライフスタイルにあわせて、スケジュールを組みます。 風の吹く午後にはウインドサーフィンに行けるように午前中昼過ぎまで働いてもらって午後はオフ、土曜日は子供のサッカーの試合があるからオフ、午前中は別の仕事をしているから午後働く、火曜日と木曜日は奥さんが働いているからその日は奥さんの変わりに子供の面倒をみるからオフ、午後はコミュニティカレッジの授業がはいっているから午前中に働く などなど、完全に個々のライフスタイルを優先した勤務スケジュール体制です。 すごく大きなサウススウエル(大波)がはいったある朝、”キヘイにすっごいスウエルがはいっていて写真撮りたいから、今日はちょっと遅れて出勤するけどいい!?” なんてこともたまにはアリアリです。

もちろん小さなショップだし、なによりお互い信頼しあっているからこそ、こんなことができるとも言えます。 仲間に譲れるときに譲っておけば、自分が必要なときには自然と助けてくれるし、基本、友達や仲間が充実した楽しいライフを送っていれば自分も幸せになれるってことです。 

 

さて息子のカイがかっこいいと言ったデイブのハワイアン父ちゃんですが、何年も前に(デイブのお父さんだと認識して正式に知り合いになる前)初めて学校行事でお見かけしたときは、”怖いっ!。。。”という第一印象でした。 色の黒い肌に筋肉質のでっかい体、髪はボウズに近い位短く刈っていていつも赤か青のバンダナをかぶっており、首には銀色のチェーンネックレス、当然のことながらハワイアン特有のタトゥー(入れ墨)をいれ、ごっついアーミー服(自衛隊のような服)を着ており、そしてサングラスをはずした目はものすごく眼光鋭く、本当に怖いと思ったのです。簡単に友達になるにはちょっとほど遠いって感じでした。 

ところがところが、そんな私の第一印象はもう本当に今では申し訳ないと思う位実はものすごく間違っていて、今では会うと、くしゃくしゃに顔をくずして笑い、正面から優しく大らかな目で受け入れてくれます。 ちょっと遠くに居ても、気づくと人懐っこく近寄ってきてくれます。 息子のカイの面倒を見てくれたときがあり、”ありがとう”と言ったら、”カイは最高の男の子だよ”と言って、私を思いっきりハグ( Hug = 愛情をこめて強く抱きしめる。こちらでは親しい人に会ったときの挨拶です)しました。

デイブは自分のお父ちゃんの口調をマネをする時があります。ある日、息子のカイがほかの友達と口論になりそうになり、早口でまくしたて始めたときでした。
(すごーくゆっくりとした口調で)" Relax, Relax, just fine, everything all right, no problem." リラックスして、リラックスして、大したことないから、大丈夫、すべて大丈夫。。。

そんな風に言われると、感情的に熱くなって早口でしゃべっている自分がばかばかしく思ったのか(傍から見ていて、少なくとも私はそう思いました)、別にどうでもいいことだと気づいたのか、とにかく拍子ぬけしたようで、皆で笑って終わり、本当の口論(もしくはもっと最悪の事態)には発展しませんでした。

ところでRelax=リラックスの意味ですが、仕事も何もしないで怠慢にぐうたらしているという意味ではないということに気づきました。
”物事に動じない”と解釈するべきでした。
何か問題が起こったとき、何かトラブルが起こったとき、何か自分が欲していないような状況が起こってしまった時、腹をたてたり感情的になるのではなく、まずは状況を受け入れる大きな心を持っていることです。
生きていてすべて100%完璧に自分が望むとおりに物事が起こることはありえません。
ましてや人のせいにしたり環境のせいにしても何の解決にもならないし、かえってますます腹がたつだけです。
起こることは状況なだけであり、こんなことは大丈夫大丈夫と自分が思えば、すべては大丈夫なのです。そういう大きな気持ちでいたほうが、自分の中でストレスもなく、かえって冷静に問題解決ができたり、人をむやみに傷つけることもなく、皆平和で仲良くいられます。

"Speak Slowly, Wear Loud Shirts." という昔のハワイアンが書いたハワイアンのルールがあります。

=話す時はゆっくり、心は広く。

あ〜、そうなんだ、ここでは。
ちょっとのことで大きく反応したり感情的になったり早口でまくしたてたりすることが多いね〜私は。だからカイはデイブの父ちゃんをリラックスしていてかっこいいって言うんだね、きっと。

ゆっくり穏やかに話し、何が起こってもどうにかなるさ位のすべてを受け入れるでっかーい心をもつハワイアンスタイルが、ここではかっこいいのです。

aloha st(ここはハワイです。車のライセンスナンバーにもアロハの州とはっきりと書いてあります。ここではゆっくり話しましょう、そして心は広く!)
 

 

Aloha Spirit - アロハスピリットとオバマ大統領

2008年11月5日、アメリカ大統領選、
ハワイ出身のオバマ大統領がハワイ州で約73%の票を獲得した瞬間、ハワイの人はこう言いました。
”ハワイにとって、アメリカにとって最高の日だ。世界は今アロハスピリットを切実に必要としている。”
(11/5のコラムより:"This is the great day for Hawaii, a great day for the country", said U.S. Sen. Daniel Akaka.  "The world really needs the spirit of aloha.")

 
アロハスピリットという言葉は、ハワイに関心がある人は誰でも聞き慣れているハワイを象徴する言葉ですが、具体的にどういうことをアロハスピリットというのでしょう。
”人に親切にすること” かな〜となんとなく私は理解していました。

 
オバマ大統領が、ある記者のインタビューにこのように答えています。
記者の質問は、”ハワイというと誰もがパラダイスだと想像する場所ですが、ハワイで育ったことによりそこで得たものは何ですか?”

 
オバマ大統領の答えは、”自分の周りに居る人には気を配り、お互いに親切に感謝の気持ちで関わりあうこと、そしてハワイに住んでいて最も重要なことは、人の見かけや外見は、その人の中身や人種や権力を表すものではないということを得ました” というものでした。 

さらにオバマ大統領はその意味の説明を続けます。
”アロハスピリットの精神に通ずるということを説明したいのですが、私たちは皆ひとりひとり孤独なのではなく、皆お互いに助け合って生きて行く義務があるということです。 誰かが困っていれば助けるということです。 例えば、子供たちにとっての最良の学校がなければ学校をつくる、すべてのお年寄りが快適に不自由なく暮らすことができる環境をつくる、というようなことが、お互いに気を配りあい、助け合って生きていくということです。 黒人も白人も、日系アメリカ人も韓国系アメリカ人もフィリピン系アメリカ人も、みんな同じアメリカ人であり、すべての多様な能力をもちよってアメリカをよりよい国にするために共に働くのです。”

 
ハワイは、もともとそこで生まれ育ったハワイアンに、移民である日系、韓国系、中国系、フィリピン系、サモア人、トンガ人、メキシコ人、ヨーロッパ系、南米系、そしてアメリカ本土からの白人や黒人 と 多種多様の人種のるつぼであり、多数派で権力をもっている特定の人種はなく、すべての人種がマイノリティー(少数派)です。だから、すべての人と仲良くしなければならない環境です。

 
この人種のるつぼである環境は小さなマウイ島では大変わかりやすく、特に私の子供たちは3歳の時からプレスクールへ行き、5歳の時から地域のありとあらゆるスポーツチームにはいり、ダメ押しは限られた少人数のグループが行くプライベートスクール(私立学校)ではなく、”住んでいる人誰でも全員が行く”パブリックスクール(公立学校)に通っているものですから、そこにはいつでもどこでもすべての人種がいて、子供たちの中には”あいつは日本人、こいつはフィリピン人”というような ”人種”の概念は最初からまったくありません。 あともうひとつ、子供たちの中で、先輩後輩というような”年齢の違い”という概念もまったくありません。(先輩後輩という日本語は、英語に訳せません。先輩後輩という文化が存在しないので、それに該当する英単語は存在しないのです。このあたりのお話はまた後日補足します)

 
私が育った日本は単一民族の国であるがゆえに、違いや人のみかけで判断してしまうようなことが、私が小中学生だった頃からすでにありました。とてもわかりやすい例は”転校生”、他の県から引っ越してきたり、ヨーロッパ人と日本人のハーフで髪の毛が金髪に近い茶色だったり、帰国子女で英語がぺらぺらだったりするだけで、学年中の好奇心と注目の的でした。 髪型や服装が人とちょっと違ったりするだけでも、まずは校則というものにひっかかり、大人たちからはなにかを言われ、そして子供の世界でも年功序列(先輩、後輩の世界)があることなど、それこそ見かけや違いでお互いの壁をつくったり人を判断したりということが当たり前のことでした。 

 
自分の子供は”人種”の概念は全くなく誰とでも最初から仲良くしているのに、恥ずかしいことに親である私が”人種”や”違い”という概念に長い間とらわれていました。「金髪の白人」「色黒のアジア人はフィリピンかトンガか」「色黒で太り気味だからハワイアンか」「この子は年上?年下?」「小学生でパーマをかけた髪にピアス?」などなど。。。外国生活でよくありがちの ”日本人会” 的な安心して所属できるようなグループもないから自分で友達を見つけなければならないし、自分の子供がどういう子と友達になるのか検討もつかないし、でも不良グループにはいるのだけは阻止したいし、といういろいろな思惑のもと、無意識のうちに外見やみかけからの詮索作業にはいってしまうのです。 しかし、人種のるつぼ社会初心者の私は、外見からの詮索作業は、その人のことを知る手がかりの助けにはまったくならないことを子供たちの世界を見ていて悟りました。 
例えばわかりやすい例でいうと、野球のチームで、それぞれの選手の良いところや得意なプレイ、パフォーマンスや役割によるチームへの貢献度には、人種や外見はまったく関係ないのです。 各人そのものからでてくる能力や個性や人格が関係しているのです。
 
 
自分の子供がほかの子供に接する姿を見て、スポーツ活動や学校活動を通して、無意識のうちに外見から人を詮索する ” 色めがね” を10年位かかってやっとはずすことができたと思います。

 
東京に居たときは知らない人とは特別に必要がなければ会話もできませんでしたが、今は通りすがりの知らない人となんのためらいもなく会話ができるようになりました。 こちらでは、知らない人同士でも、たまたま目が会うと "Hi, how are you doing? やあ、元気?" といったような会話がよくあります。
日本からハワイへ観光で来る人も、おそらく田舎へ行けばいくほど、ローカルの人に話しかけられたり親切にされたりという経験もあるのではないかと思います。

 
他民族のよせ集めハワイでは、基本的に人々は誰でもウエルカム、この島のこの土地で同じ時間に生きている人間同士という理由だけで十分であるということがわかります。
これが私がハワイに住んでいて得たものですが、
これもまたオバマ大統領がハワイで得たというアロハスピリットの精神に通ずるものがあることに気づきます。

 
大統領任命式の直前、オバマ大統領は、自身の娘さんたちへ手紙を書いています。その手紙は新聞の冊子の特集で全国公表されたものです。
「若い頃自分は人生はすべて自分ひとりの為にあると思っていた。どうやって世界にはばたこうか、どうやって成功者になるか、どうやって自分の望むものを手にいれるかばかりを考えていた。しかし君たち2人がこの世に生まれてから、君たちの好奇心や悪戯や笑顔はいつでも私の心を満たし日々を明るくしてくれた。そうしたら突然自分の大きな野望はもはや重要でないことに気づいた。 君たちが喜び幸せである姿を見る事が、私の人生の最高の喜びであることに気づいた。 君たちがあらゆる可能性や機会に満たされ幸せになることが、私の人生の幸せであることに気づいた。 君たちだけでなくアメリカのすべての子供たちが幸せになって欲しい。アメリカのすべての子供たちにそれぞれの最大限の可能性に出会える学校へ行き、親の経済力には関わりなく大学へ行けるようにし、いい仕事に就き、家族と十分な時間を過ごす事ができる余裕をもった人生を送り、幸せに老後を迎えて欲しい。だから大統領に立候補しました。」
さらに手紙の中では、「この国の為に、各人の最高の能力と可能性を引き出すために、人間が勝手につくりあげてきた人種、地域、性別、宗教間の差別や境界を全力でとりはらいたい」とも言及しています。

 
”ハワイのことを知らないと、オバマ大統領がどういう人であるかということを理解することはできません” と、大統領夫人であるミセスミッシェルオバマがインタビュアーに言っています。


windy palmアロハスピリットの精神は、もしかしたら本当にアメリカに世界にチェンジ(変革)をもたらすのかもしれません。
少なくとも、私の人生と価値観には時間はかかったけど大きなチェンジをもたらしたのですから。 


記:
2009年1月21日 Maui News(新聞)に特集版
From Aloha State to Oval Office
アロハ州(=ハワイ州の通称)からホワイトハウスへ

 obama

Difference - 自分とは違う素敵な個性

試合のあいだじゅうずっとコーチがプレッシャーかけつづけるから、もう楽しくないよ。。。。。サッカー大好き少年の9歳の息子カイがある日ポツリと言いました。
5歳のときからプレイしている子供のお遊びリーグから、初めてスコアをつけて真剣に勝敗を競うマジなリーグへ昇格、リーグ初体験の若いプレイヤー主体だったチームにもかかわらず快勝をかさね、決勝まで行ったのはつい前年8歳のときのこと。プレイヤーもコーチも親も初めて体験する真剣リーグ、試合中はプレイヤーとコーチは親とは離れた反対側がベンチとなり、親と子供の接触はできず、親たちはなんだか取り残されたような気持ちながらも子供の成長を感じ、勝敗に一喜一憂し、目標に向かって練習に精をだし、オアフ島へ2泊3日の遠征にまで行く団結したチームでした。
ほとんど同じメンバーで2年目のシーズンがはじまり、今年こそはマウイで優勝してハワイ州決勝へと力がはいるのは自然の流れ、ただ前年のヘッドコーチが仕事で多忙のため、アシスタントコーチが事実上のヘッドコーチとなりました。もともと負けずぎらいでアグレッシブなコーチはそのパワーを存分に発揮、8〜9歳のサッカープレイヤー達は、まるで高校生リーグのような厳しさのもとに、完璧なプレイを要求され、上手くできないプレイは試合中でもそのたびに怒鳴られ、1試合のなかで2、3回あるかないかのハットトリック(?)やスーパープレイを除いたほとんどすべてのプレイに対して大声で怒鳴られる男の子たちからは、仲間と一緒にボールで遊ぶのが楽しいという笑顔がだんだん消えていき、いつのまにか強制的にやらされているような雰囲気になっていきました。
8〜9歳だと、今まで頭ごなしに怒鳴られたことのない男の子もたくさんいると思われ、畏縮して完全にやる気をなくしてしまっている子もいます。私の息子カイは幸運(?)なことにその母親に過去怒鳴られたこと多数、コーチとは小さい頃からの顔なじみ、基本的にコーチのことは友達のように思っているほど大好きです。ですから畏縮してしまうほどではありませんが、”嫌だな〜”的な葛藤を感じているのは確か、プレイの失敗やうまくいかないことなどもすべてコーチのせいにしはじめています。このままでは、シーズン中楽しくプレイをすることはおろかサッカーがきらいになってしまいそう。じゃあ、どうする? もうこのチームは辞めて、ほかのチームにはいる???

 

チームを辞めてしまえば明日からはコーチのプレッシャーを受けずにすむし、とりあえず状況は変わるので今の葛藤からは解放されるでしょう。 でもそのあとどうなるのか? 新しいチームにはいって、そのチームのコーチが怒鳴らないなんていう保証はないし、多かれ少なかれ別の問題が起こることも十分にあります。そこでまた問題があったら、また別のチームを探すのか? そのチームだったらなんの問題もなく100%満足になれる保証があるのか? コーチが怒鳴るのが嫌だから辞める、ではあまりにも理由が身勝手で短絡的な決断に思えます。9歳の息子のカイにとってはこれは初めての他人との葛藤、このようなことはサッカーチームでなくともこれからの人生いたるところで起こります。チームメイトが嫌い、学校の先生が嫌い、職場の上司が気に入らない、同僚が気にくわない、、、などなどはいつでもどこでも簡単に起こりえるシチュエーション。嫌なことがある→辞めるということを今から簡単にやりはじめたら、習慣となり、一生どこへ行っても簡単に辞め続けることになるかもしれません。だから、今までも始めたことは最後まで全うする(シーズン途中で辞めない)ことだけはさせてきました。

 

コーチのせいにすることはちょっと横において、自分のことを考えてみます。なぜ、カイが嫌だな〜と感じているのかー自分がプレイするたびに怒鳴られるということを期待していなかったから。
なぜ母親の私が嫌だな〜と感じているのかーお遊びサッカーリーグでは子供たちがころんでも失敗しても何をしても可愛く、なにが起こっても誰も責められることもなくなごやかな笑いになるだけのほのぼのリーグ、しかし今はコーチが勝敗に熱くなり過ぎて失敗もできないほどシリアスになりすぎているのが、自分の描いていた期待とは違うから。では、自分の期待どおりになるように、コーチに申し出て明日からやり方をあらためてもらうことができるか? 人間は人に言われて1日や2日でそう簡単に変わることはできません。特にそれがその人の個性だったり信念だったりなどパーソナリティに直結している部分だとなおさら変わるのには時間が必要です。自分以外の人を自分の思い通りに期待どおりにするのはほとんど不可能です。恋人だって、自分の夫だって、親だって、すべて自分が描いている期待どおりの人間だったかというと100%そうではないし、自分の子供だともっとわかりやすく小学校高学年ごろからだんだん自立しはじめるに従って、もはや自分のお腹の中に自分の腕の中にいた赤ん坊ではなく、自分とは違う別の人格の人間であり、自分の思い通りには動いてくれないことに気づかされます。

 

自分とは別の人である限り、誰も人のことを変えることはできません。では相手が変わらないなら、自分ができることは何でしょう? 相手の首をしめて縄をかけて自分の思い通りに変えることはできないけれど、自分が変わることは自分が決めればいいだけだから意外と簡単にできます。自分勝手な期待にもとづいて自分が理想としている登場人物になることを人に押しつけるのは止めて、相手のあるがままを受け入れてみると、”あれ、この人のことちょっとは好きかも。。。”なんてさえ思えてきます。

 

カイのコーチはほかのお父さんたちよりも年齢が若く、子供たちと一緒に走っても息もきれないし速い、仲間といつも一緒にいられるチームスポーツが大好き、声が大きいのでコーチに向いている、時間を惜しまず子供のように夢中になって練習に励む(日が暮れてもまだ練習していて、コーチなのか遊び盛りの子供なのかわからなくなることも?!)、練習や試合以外の時間も子供たちを誘って高校生の試合を見に連れて行ってくれる、そして何と言ってもコーチがいるからこそ、このチームが存在しているのです。私にはハイク地区の子供たちを集めてコーチになるほどの勇気も能力も体力もありません。あなたがいるから、ハイク地区の男の子たちでチームをつくることが実現し、子供たちが一緒に成長していかれるのです。子供たちがここでサッカーができる環境を提供してくれてありがとう。私たちの子供なのだから、あなたの不得意な事務処理や連絡係は、私がやりましょう。あなたが怒鳴ったあとの子供たちのフォローはアシスタントコーチ(前年までのヘッドコーチ)の得意分野です。そして、家でのフォローは当然親である私が努力してみます。”プレイヤーはコーチのことを選ぶことはできないよ。たとえプロスポーツ選手になっても、コーチはプレイヤーを選べるけれど、プレイヤーはコーチを選べないよ。たとえプレイヤーが全員そろっていても、コーチがいないとゲームはできないよ。コーチのあるがままを受け入れようよ。コーチをだまらせることは不可能だし、これからもコーチは怒鳴りつづけるよ。でもそれはカイの人生には影響しないよ。He is a great coach and you like him, だからコーチのあるがままを受け入れようね。そうでないとママがコーチをしないといけなくなるよ。” 最後の文句は半分脅しというか、”それだけは止めてくれ〜”状態によるあきらめ誘導作戦に近いものがありますが、その後はカイはコーチの不平は言わず、怒鳴られることにも慣れ、無事そのシーズンも最後までプレイすることができました。

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(文中の人称は仮名です)

 

 

by Yoko, January 2007

Make Friends - 友達はつくるもの

私が日本で会社を辞め、主人と当時2カ月の子供と3人でマウイへ引っ越してくると決断した時、ある人は言いました。”あなたは、友達も家族もいない異国の地で、きっと寂しい思いをすることになる” 私はすぐに言いました。”友達はまたつくればいい。いまここにいるかけがえのない親友や友達も最初から友達だったわけではないし、10年前にはまだ出会ってさえいなかったよ!” 

 

それまでの私の人生で一番恵まれていたといえるのは友達、いつでも友達が私の人生を照らしてくれたし、私を元気にしてくれました。20代の頃は高校の同級生だった仲間とよく泊まりがけで海へ行ったりスキーへ行ったり、社会人になってからは会社の同僚や先輩とも友達になり居酒屋やディスコにくりだすのは日常のごとく、毎週末のごとく海にスキーにとでかけ、人生楽しくて、このままずっとこの時間が続けばいいとさえ思っていました。そんな時期をともにした友達とはいまも音信がとだえることがありません。結婚をしてからは主人の友達とも友達になったし、日本にいた頃は知り合いだった程度で友達というほどでなかった人とも、何度も何度もバケーションでマウイを訪れてきてそのたびに会って時間を過ごすうちにすっかり友達になった人もいます。

 

正直マウイに来てしばらくは、自分の気持ちの一部はまだ日本にあり、私のことをよく知っていてくれる友達が近くにいないことや2か月の赤ん坊と家にこもっている生活だったこともあり、確かに少し寂しい思いをしていた時期はあったと思います。近くにたまたま住んでいた日本人やその友達などが訪ねてきてくれたり、仕事の関係で知りあった人もいましたが、会ったばかりですぐに心を開けるわけではありません。お互いのことをよく知らないから、なんとなく世間話をしてそれだけの関係、でも細々でもたまに会いたまに話しをし、これに時を重ねていくと、同じ時空を生きてきて、そしていまもまだ生き残っているいわばこの世の戦友のような愛着が自然とわいてきて、”元気? 今日も会えてよかったよ”という気持ちになり、いつのまにか心を開いています。そしてたぶんこれからも時間を重ねるごとにもっともっと愛着がわいてくるのだと思います。

 

”持つべきものは友達”ですが、”持つ”といっても友達は所有物でもないし、自分の都合で無理矢理一緒にいることを強要するものでもありません。友達はその人との関係を ”時間をかけて” はぐくんでいくものだと思います。時間を共有すればするほど、コミュニケーションをとればとるほど、関心を持ち、相手のことがわかり、好きになり、自分がかっこつけることなく心を開ける心地よい人間関係になれるのだと思います。

 

息子のカイは11歳、もうすっかり自分のパーソナリティを持ち、自分の意思で自分の人生を歩みはじめている年齢です。カイは持って生まれた笑顔にオープンなパーソナリティが加わり友達をつくる天才です。大人でも年上でも年下でも女の子でも、まったく壁がなく、誰とでも仲良くなるので、新しい場所(例えば新しい学校、新しいスポーツチーム、新しい地域クラブなど)へ行っても、私がうらやましくなるくらい、すぐにうちとけます。赤ちゃんのころからこの世のものすべてに興味津々、会う人会う人に笑顔をふりまいている子だったのでもともとそういう性質だったように思えますが、小さいときからチームスポーツをやってきたからというのも少しは影響しているかもしれません。

 

マウイでは子供のチームスポーツはすべてボランティアで運営されている地域リーグです。それぞれシーズンが決まっていて(例えば野球は1月〜6月、バスケットボールは夏と秋、サッカーは秋と冬というように)、シーズン前に募集したプレイヤーを適当にバランスよくチーム分けをし、普通はチームの中の誰かの親がコーチやアシスタントコーチをし、シーズン中、同リーグの中で試合をします。チーム分けはランダムですから、仲のよい友達がいるときもあれば、場合によっては全員知らない人であることもあります。少なくとも、チーム内全員誰ひとり残らず仲良しグループであることは絶対にありませんので、そういう意味では、シーズンごとに毎回リフレッシュされた新しいチームメートということになります。

 

今までカイが5歳のときから今まで7年間分所属したチーム数、これに妹のレイのチームも含めて数えたらすごい数になりますが、どのチームのときでも、シーズン初めとシーズン終わりでは子供達同士もその親たち同士もまったく様子が変わります。
わかりやすく言うと、シーズン初めはあなた誰、どこの人?状態で名前も知らない人さえいるアカの他人が、シーズン終わりにはまるで昔からずっと一緒にいる家族のようになり、シーズンが終わってチームが解散になるのが本当に毎度毎度寂しい気持ちになるのです。
シーズン中、それぞれの子供たちのプレイを通してその子たちを知り、同じ時間同じ場所でそれぞれの子供たちの成長や上達を目撃し、同じ目標に向かってチームをサポートし応援する親たち、子供たちとコーチはやはり同じ目標に向かってともに練習し、試合をし、くやしいことやちょっと恥ずかしい思いをしたことや、がっかりしたこと、喜んだことなど、いわば人生の一部をともにし(日本風に言うと、同じ釜の飯を食べた仲とでもいうのでしょうか)、自分のチームに愛着を感じはじめ、本当にひとつのチームになっていくのがよく実感できます。

 

カイは自分から本当によく人に話しかけます。新しいチームが結成されたばかりでまだなんとなくみんなお互いうちとけあってないときでも、”Luke, good game (good practice), Bye. See you tomorrow.”(ルーク、今日はいい試合だったね。バイバイ、また明日ね。)と自分から声をかけ、途中からチームにはいり遠慮がちにしているチームメートにも同じように声をかけ、また不思議なことに、同じチームになったことがなくても、過去自分が対戦したことのあるチームはすでにもう友達だと思っているのか、知らないあいだに仲良くなっていたり、よく話したりしていることもあります。
本当にどこに行ってもフレンドリーなことが取り柄といえるほどのカイですが、おかしなことに、オアフ島で行われたサッカートーナメントで対戦したオアフ島在住の日本人だけでつくった日本人チーム(子供たちも日本語を思いっきりしゃべっていました)には、決して日本語で話しかけることはありませんでした。マウイにはオアフ島ほど巨大な日本人だけの社会みたいなものはないので、カイは日本語にはやや困難あり、つたない日本語を話すことにはちょっとまだ照れがある???

 

あるとき、息子のカイと同じバスケットボールチームになったジョン、一番最初の練習に1回きた後、2度と来なくなりました。 ジョンの弟が私の娘のレイと同級生でジョンのお母さんとは面識があったので、たまたま会ったときに ”練習来ないの?”と聞いたところ、 ”ジョンはチームに友達がいないから、辞めたわ”という答えが返ってきました。
”えー、バスケット上手なのにもったいない!!! バスケットやりたいから申し込んだんじゃないの??? カイはチームに友達がいたことなんてほとんどないよ。友達は最初からいるんじゃなくて、つくるものだよ” とはあくまでも私の価値感なので、その時は心の中でつぶやくだけにしておきました。

 

そう、友達は時間をかけてつくるもの。誰かから与えられるモノでもないし、欲しいと思って即日手にはいるものでもありません。
新しいところに行って友達がいなくてもだいじょうぶ、今日ちょっと孤独感を感じてしまっていてもだいじょうぶ、友達は必ずできます。自分から笑顔とあいさつを与え続け、そして自分から先に相手を好きになることを続けていれば、今日あったあの人と、次会う時にはこのあいだよりも親しみを感じ、1年後にはもっとその人のことを好きになっています。5年後にはかけがえのない大切な友達になっているかもしれません。
友達や人間関係は1日や2日ではつくれません。共に生きる時間が必要です。失恋して落ちこんだ時など、”時間が解決してくれるよ” なんて言いますが、その逆パターン、”時間が人間関係を発展させてくれます。”

sfield

(文中の人称は仮名です)

 

 

by Yoko, July 2006

*プロフィール*
内藤葉子 Yoko Naito
マウイ島にて現地旅行会社と
ウインドサーフショップをしています。
ぜひ遊びにきてください。


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